書の間

登場人物

しょのま家と、そのまわりの人たち。

柚吉

柚吉ゆきち

水尾の柚子農家。頑固者。里の看板はいつも柚吉の行書だが、本人は字のうまさに気づいていない。

華子

華子はなこ

柚吉の妻。料理は手間ひまを惜しまない。中国ドラマと宋の都に夢中で、前世はお姫さまだったと信じている。

献

献けん

柚吉と華子の息子。書の先生で、授業は動画で届けている。古い和本を集めているのに、ほこりに弱い。

和香

和香わか

献の妻。茶人から注文のあった分だけ和菓子を作る。季節と箱だけは譲らない。

ゆかり

ゆかり

中学一年生。かるた部。「紫式部になれないなら、なにもいらない」。Tシャツの五十七は、百人一首の紫式部の歌の番号だ。

敏

敏とし

小学二年生。おじいちゃん直伝の駄洒落と、自作の寸劇が得意。

点

点てん

二歳のダルメシアン。食べることにしか興味がない。たぶん。

棘

棘とげ

白黒ぶちの野良猫。だれにも撫でさせない。いつも知らん顔だが、点のしっぽだけは気になってしかたがない。

毛虫先生

毛虫先生けむしせんせい

茶道「甘党流」の家元。ひょろりと痩せて、眉が毛虫のように太い。いつも厳かだが、和香の菓子には目がない。

名古 清

名古 清なご せい

名古屋生まれ。かるたでは、ゆかりの好敵手。美術館の館長をつとめる母に育てられたお嬢さまで、誇り高く、頭が切れて、手厳しい。薙刀を習い、ピアノではショパンを弾く。口もとに小さなほくろがある。自分は清少納言の生まれ変わりだと思っている。Tシャツの六十二は、百人一首の清少納言の歌の番号だ。

牛蒡ちゃん

牛蒡ちゃんごぼうちゃん

あだ名は牛蒡ちゃん。香川・善通寺の僧侶の娘。ゆかりと同い年で、牛蒡のようにひょろりと背が高い。かるたの全国大会では、いつもゆかり、清と三人で上位を争う。

小川さん

小川さんおがわさん

柚吉の家の松を手入れする庭師。黒ずくめの作業着に地下足袋、腰には道具がずらり。丸眼鏡はいつも鼻の先までずり落ちている。作業中はヘッドホンでグレン・グールドを聴いている。軽トラには「no bach, no life」のステッカー。毛虫先生の稽古に通っていて、それが縁で柚吉一家と知り合った。

kuma

kumaくま

水尾に住む陶芸家。黒い作務衣で、ろくろと筆と尺八のあいだを行ったり来たりしている。しゃべらない。